だから君たちはここへ来るんだ!
僕は3年間,富山第一高校に通っていました。1年生のときの化学の先生がいらっしゃいました。
今日はその化学の先生のことについて話をさせてください。
その先生は富山中部高校で長年化学の教師をされていて、定年になって富山第一高校へやって来られました。
わかりやすい授業だったのですが、厳しい先生でもありました。
先生は毎回授業の最後に宿題を出して、次回の授業の最初の15分くらい使って、宿題の解説をしてくださいました。
宿題を当てられた生徒は、化学の授業が始まる前の休み時間に黒板に答えを書いておく、という授業スタイルでした。
ところが僕たち生徒は(当てられた生徒は)答えがわからず、黒板に答えを書かないまま授業が始まることが何度かありました。
先生は授業が始まるや、その問題を解けなかった生徒(と言うよりも僕たち)に対して
「宿題をやってないね?ということは前回の授業の復習をしてないってことや。」
とため息交じりに言われ、そしてとどめの一言を僕たち1年生に刺していました。
「だから君たちはここ(一高)へ来るんだ!」
ことあるごとに先生は僕たちがふだん復習をしていない、だから県立高校ではなくて、ここに来るんだ、と叱責されました。
もちろん言われた僕たちは嫌な思いをします。
僕は「また始まった。中部自慢が…」と腹は立たなかったのですが、当時私立に通っていることに対して少なからずコンプレックスを抱いていた僕たちにとっては
「決して言ってはいけない一言」だったのです。
また先生は、ことあるごとに「とにかく今日家に帰ったら8時間以内に復習をすること。宿題をすること」
とおっしゃっていました。
僕は文系だったので、化学は受験には必要ありませんでした。でも化学の授業自体は好きでした。
先生が厳しかったのと、授業がわかりやすかったことが理由で、僕は当時化学が好きでした。テストの点数も良かった。
先生は日ごろから
「中部高校には黒板が教室の前と後ろの2か所にあって、前の黒板が文字で埋まったら、次は後ろの黒板を使って授業をしていたものだ」
と中部自慢をしょっちゅうされていました。
そんな異次元な話をされてもなぁ、と僕は意に介していませんでしたが、友達は怒っていました。
先生は僕たちに「カツを入れ入る」つもりでこれらの言葉を言っておられたのだと思います。
「家に帰ってから8時間以内に復習すること」
しょっちゅうそう言われ、復習の大切さをその先生から学びました。
あとは先生は、抜き打ちで小テストを行い、僕たちのあまりにもの出来の悪さに1人ずつ名前と点数を僕たちの前で発表されていました。
「なんだこの点数は?ちゃんと復習していない証拠だ。だから君たちはここへ来るんだ!」
と得意のフレーズを言われ、僕は少し落ち込んでいました。
その通りなので悔しいとも思えず、ただただ
「復習は大事なんやなぁ」と思っていました。
そんな厳しい先生でしたが、職員室へ質問に行くと、とてもうれしそうな顔をされて、1つ1つ丁寧に教えてくださいました。
僕が思うに、そんなに人気のある先生ではありませんでしたが、でも確かな実績と中部高校で長年授業をされていて、
僕たちを奮い立たせるのも上手な先生だったので、僕はその先生が好きでした。
2年生に上がるときに生物にするか?化学を選択するか?迷いましたが、今思い返せば化学をとるべきでした。
当時の僕たちにとって、一番足りなかったのは「勉強することの習慣」だったように思えます。
高校入試で失敗して、後悔しながら一高へ入学したはずなのに、いつの間にかその悔しさを忘れ、
牙を抜かれたトラのようにふがいない毎日を当時僕は過ごしていました。
担任も厳しかったのですが、でも化学の授業を受けるたびに先生から厳しい一言をもらい、そのたびに少なからず心を揺さぶられ
「3年後にまた同じ失敗をしたいのか??」と自問自答することが何回もありました。
そう考えると、その先生は僕たちにやる気を起こさせる、感情に訴える授業をされていたと思います。
僕の友達も「化学の先生のおかげで国立大学へ行けた」
と卒業してからしみじみと言っていました。
今は時代が変わり、何かあるとすぐ体罰だ、とかパワハラだ、とか言われてしまいますが、
こと進路指導をされる先生や塾の先生・家庭教師の先生は生徒たちには厳しく現実を伝えることも必要なのではないか?と思います。
以前、僕の知り合いの家庭教師の先生が
「生徒に申し訳なくて,テストの点数を聞けません」と幼稚で無責任なことを言っている先生がいました。
「じゃあどうやって進路指導するの?」とあきれてしまいました。
教える立場の人が生徒の成績すらも把握していない、こんな恐ろしくて情けないことはありません。
単に生徒から嫌われたくないから聞けないのだと思うのですが、そういう先生に限って宿題も出さず授業だけしている、という有様のような気がします。
よく受験生の親御さんから「学校の担任は志望校を伝えたとき、YesもNoも言ってくれません」と嘆いておられました。
それは単なる「責任逃避」だと思います。
本当に生徒さんのことを想っているならば、Yes、Noくらいは言えると思うし、それが大切な仕事だと思うのですが…
僕もそんなに厳しい方ではありませんが、でも生徒さんのことを想うのであれば、時には厳しいことも言わなければならないのでは、と思っています。
現実を見るべき。場合によっては志望校を上げることもできるのです。
自分を奮い立たせる言葉をたくさん知っていると,受験に強くなるような気がします。
2026年03月29日 08:41
