Youtubeで「令和の虎 受験版」という番組を観ました。
この番組を簡単に説明すると、高校生・浪人生または社会人が大学に合格したいために、主に経営者(塾の経営者が多いです)に投資や融資をしていただくために、大学合格までの道筋をプレゼンして、その内容によっては虎(経営者の方々)が出資する、 という番組です。
今回の志願者は、27歳の男性の方で「小説家として売れるために,その第1歩として東大に合格し,そのネームバリューを生かして小説家としてプロデビューしたい」という内容のプレゼンでした。
高校の教員になりつつ、仕事をしながら小説を書き続けていきたい、という意見も途中から見受けられました。
これに対して、虎たちの一人の森田さんの意見は「そもそも私立高校で教員をしながら小説を書くというのは甘すぎる。現実を見てから考えてほしいし、そもそも務まらないと思います。私立高校(偏差値の低い高校)を舐めない方が良いと思います」とのこと。森田さんは実際、高校教員をしたこともあり、底辺校の酷さをよく知っておられます。小説を書きながら高校の教員は無理。と断言されていました。
また別の経営者の質問として「そもそもなぜ東大なのか?とてつもなく高いハードルだと思います。教員免許を取りたいのであれば、別の大学でも教員免許は取れますよ」というものでした。
志願者は最初のうちは「小説家として売れるために、東大に合格したい」と言っておられましたが、途中からは「子どもたちの夢をサポートしたい。そのために教員になりたい。
早慶も考えている。そして小説家にはどうしてもなりたい」という考えに代わっていきました。
経営者の意見のひとつとして「年齢(27歳)を考えたら、この年で大学に進学することじたい、厳しいと思います。それやったら教員にこだわらないで就職して、働きながら小説を書いていったら良いのではないでしょうか?」というものもありました。
志願者は自分自身は,底辺高校へかつて進学し、途中から不登校になってしまった」といういきさつがあることから、「偏差値60くらいある場合は応援したいが、この成績と27歳という年齢を考えたら、東大は現実的ではないと思います。そもそも大学に行く必要がありますか?」という虎の意見もありました。
荒れている討論ではありませんでしたが、さまざまな意見が飛び交う回となりました。
今回の「令和の虎 受験版」を見ていて僕の率直な意見は「東大は200%無理。そもそも東大というネームバリューを手に入れることと、小説家として売れることとは全く別のこと。
教員になりたいのだったら、自分の学力に見合う大学を探せばいい。
教員免許を取り、小説家としてもプロになり売れたい、というのであれば,まずは大学に合格するために時間を使った方が良い。
小説を書く時間をとりあえずは全て受験勉強に使ってほしい」
志願者は冒頭,「小説家になることよりも、東大に合格することの方が可能性が高いと思います」と言っておられました。
偏差値のへの字も知らない人が言う、よくあるパターンだなと思いました。
僕もかつて高校生に進路相談をしていたときに、高校3年生(女子)が「新潟大学とか富山大学に最初は行きたかったけど、今はもう行きたくない」と言っていました。
それを聞いて僕は「それは新潟大学とか富山大学の合格判定がA判定の人が言うセリフやわ。あなた、新潟大学E判定やろ?それは「行きたくない」じゃなくて「行けない」ということやわ。新潟も舐められたもんやなあ。」と思いました。結局彼女は僕の知らない、聞いたこともないような私立大学(Fラン大学)に進学しました。そこしか合格しませんでした。
高校生と接していると彼女のように「自分の学力を棚に上げて,夢みたいなことを本気で言っている人が一定数いる」現実があります。
そんなもん、模試の成績を見れば簡単にわかることなのに…とあきれかえってしまいます。
もちろん、「志望校を高く設定する」のは良いことだとは思います。
「じゃあそのために毎日どれくらい勉強しているの?たとえば赤本を買ってきて志望校の過去問見た?解いてみた?どう思った?何が足りなくて、それを克服するためにこれからは何をどうやって勉強していくのかな?」
これらの質問に完璧に答えられない人には、夢を見る資格はないと思います。
県立高校の生徒さんにあるあるなのですが、高校入試で一応合格した(成功した)。なので大学受験も高校受験と同じ要領でやれば受かるだろう」と安易に考えている人が本当に多い。
私立高校(特進クラス)の生徒さんは、一度受験で失敗しているので、そんな甘ちゃんみたいなことを考えている人は、まずいません。3年後に見返してやる!と意気込んでいます。
そう考えると、県立高校に合格することは,大学受験までの「ゴール」という視点で考えたときに「必ずしも良いこと」と断言はできません。
下手に県立高校に受かってしまったから、受験に対する甘い間違った固定観念が染みついているのかなと思います。少なくても僕がこれまで接してきた県立高校の生徒さんには、そういう考えをした生徒さんが多かったです。
高校受験と大学受験は全く異なります。
まずは国公立大学と私立大学とでは「受験科目」からして異なります。その段階で一つの大きな分かれ目になります。
3教科受験と5教科(6教科)受験とでは文系の場合は「数学」というものを勉強しなければなりません。
私立大学の方が簡単とか、国公立大学の方が大変とか、そういう問題ではなく、受験のシステムからして異なりますよ、ということです。
今回の令和の虎に出てきた27歳の志願者のように、偏差値もろくに知らないような人が、簡単に「東大に合格して…」とかは言ってほしくはありません。
例えば旧帝クラスの学力があり、その上で「東大に入りたい」とかだったらまだわかるのですが,Fラン大学(名前を書けば合格するような定員割れしている大学)」レベルの人に軽はずみに東大に行きたいとか言われれうと、僕だったらマジで腹立ちます。お説教をすると思います。
「令和の虎 受験版」を見ていると、いろんな意味で勉強になります。僕は高校生とは今はもう関わりはありませんが、中学生とは年中関わっています。
もちろん進路指導もします。夢みたいなことを言っている受験生には厳しいことも言わなければならないこともあります。
まぁ,中学生の場合は初めての受験になるので、多少のことには目をつぶりますが、あまりにも幼稚な事ばかり言っているときには,現実を懇々と伝えています。
最初から県立高校をあきらめているような中3生には特に何も言いませんが,「現実離れした,あさってみたいなことを言っている中3生」には立場上厳しく指導しています。
僕の中学時代の友達が、かつて富山中部高校へ進学したあと、1年生1学期の最初の3者面談で担任から「あなたには努力できるという才能が全くありません。努力されてください」と言われたとのこと。さすが中部だなと思いました。
僕は一時,福光まで電車通勤していることがあったのですが、夕方に富山駅から高岡駅まで電車に乗っていると、中部高校の生徒さんがたくさん電車に乗って来られました。
中部高校の生徒さんは見ればすぐにわかりました。電車の中で真剣な表情をしながら英語の長文問題を解いていました。とても焦っている様子でした。
他の学校の高校生は友達と話していたり,携帯を見ていたりしていました。
「あぁ。もうこの段階で差がついているな」と思いました。
少しでも良い大学に合格したかったら、どのような高校生活を過ごせばよいのか?
高校の環境はやっぱり大切だなと、つくづく思っています。
令和の虎,エンタメとしてではなく自分事として、これからも見て行こうかなと思います。
2026年09月20日 08:14