2003年8月「はるかな尾瀬」事件 31歳夏
2003年の夏のことです。僕の男友達が「佐伯、8月にうちの会社のメンバーで尾瀬までハイキングに行くがやけど、佐伯も来たい? 1泊2日のプランだよ」 「行きたい!」僕は即答しました。
その友達は富山県立大学→富山医科薬科大学薬学部に編入した というかなり珍しい学歴の人でした。頭いい!
僕は当時は福光に住み込みで個人塾をしていたのですが、その2日を休みにしてもらい、張り切っていました。
話によると、朝友達の会社に待ち合わせして、そこから車で尾瀬まで行く、というプランでした。
行きは会社の男性の人の車で移動しました。ボルボ70に乗っていて「これがボルボか!乗り心地めっちゃいいな!」と感動していました。
ボルボの中では男子のみで、彼らが「○○さんは話好きだから、話を聞いてあげて!」とか「〇〇さんは逆で 自分から話すような子じゃないから、佐伯の方から声かけてあげて!」
などなど、会社の人たちからいろんなご指導を受け(笑)、僕は頭の中にそれらの「データ(笑)」をインプットしていました。
「尾瀬(おぜ)」という地名は音楽の教科書にも出てくる「夏の思い出」という歌の歌詞に出てきます。
「♪夏が来れば思い出す~ はるかな尾瀬 遠い空♪」という歌詞があります。 その「尾瀬」です。
「そもそも尾瀬って何県にあるが?」と僕は思い、ネットで検索すると「福島県・栃木県・群馬県・新潟県の4県にまたがる地域」と書いてありました。
「う~ん、イマイチよくわからん。要するに富山からは遠いってことね!」と軽く受け止め、移動中の頭の中では「女子とどんな話をしたらいいのだろうか?」とそれだけを考えていました。
尾瀬ツアーのメンバーは総勢14人くらいいました。男子と女子がほぼ1:1の構成でした。
事前に友達から「佐伯にぴったりの子おるよ。〇〇さんやわ。良く話すし楽しい人だよ。まあまあの美人だよ」
……僕は事前にそのことを聞いていたので、とりあえずその人をイメージしながら尾瀬ツアーを予行練習していました。
医療関係の会社の人たちとの「尾瀬ツアー」でした。 僕は医療のことは全くの素人・何も知りません。
とりあえずは仕事のことについて質問してみようかな?と思っていました。
そして正午手前くらい(だったと思います)に尾瀬に着きました。 僕は「ついに来たよ!長かった。これからこれから!!」と意気込んでいました。
僕は当時TVで流行っていた「あいのり」のような感覚で、男女が話しながら楽しく、気ままに尾瀬の湿原の中を歩いていくものだと思っていました。
ところが現実は……
本当に「はるかな尾瀬!」ひたすら湿原が続く。 その中を板の上をたどってひたすら、ただひたすら歩く、というものでした。
僕は「これじゃ女の人と話すどころじゃないねけよ~↓」とイジけていました。
一人で黙々と尾瀬を歩く。途中で「トマト」を買い、水分補給にしていました。 覚えていないのですが、かなりの時間、尾瀬を歩きました。
5時間~6時間くらい? 歩いたような気がします。 「本当にはるかな尾瀬やな」とあきれかえりながら歩いていました。
尾瀬は湿原なので、土の上を歩くのとはちょっと違います。板がずっと敷いてあって、その上を歩く。 もしもバランスを崩して板からそれると、水の中に足が浸かってしまいます。
本当に気をつけながらの5~6時間ウオーキングは,とてもつらいものでした。
到着したときの「達成感は0」
全くありませんでした。ただただ「疲れた」
そんなことよりも「女子との会話は?いつになったら話せるの?」とずっと思っていました。
……地獄の尾瀬ツアーも終わり、いよいよその会社の別荘(保養所?)に移動することになりました。
別荘に到着したのは、22時すぎ。 「あ~もうこんな時間か…でもまだ少しくらい女子(〇〇さん)と話すチャンスはあるな!」と思って心の準備をしていると、その会社のリーダーの人(女子)が 「はい、それではこれから順番にシャワーして、そして寝ましょう。今日はご苦労様でした」
……えっ、マジで!? この人頭おかしいんか? 夜はこれからやろ!!
修学旅行じゃあるまいし、大の大人がなんで23時就寝なん?しかも尾瀬まで来て…」
僕の心の声など届くことはなく、女子の方たちは本当に寝始めました…。
うわ~最悪。俺は何をしに尾瀬まではるばるやって来たのだろう?? めっちゃへこみました。
でもその会社のルールには従うしかない。 でもこんな気持ちのままはとてもじゃないが眠れない!
シャワーをしたあと、僕は皆が寝静まる中、悶々と日記を書いていました。 1時間半くらい、ひたすら悔しさ・空しさを日記にぶつけて書いていました。
当時は福光の塾には塾生が27人いました。 その一人ひとりの顔を思い浮かべては,むなしい気持ちになり、結局その日は2時間くらいしか眠れませんでした。
…あまりにも理不尽で納得がいかない「尾瀬ツアー」でした。
やがて 朝が来ました。
結局、僕は女子とはほぼ一言も話せず、悔しい気持ちを抱えたまま車に乗り込みました。
帰りの中はボルボの中に全員男子だったので、僕は車の中で延々と話し倒しました。
「佐伯君、あんた面白い人やね~(笑)」 帰りの車の中は僕の「独演会」になっていました。
その時間は確かに楽しかったのですが…
やがて会社に帰って来て、そのまま「解散」
僕は福光までの帰り道、一人で車を運転しながら、「あまりにも納得がいかない」ため、よっぽど悔しかったのか、数年ぶりに「1人カラオケ」に行き、2時間くらい熱唱していました。
数少ない貴重なチャンスだったのに…
今では周りの友達は皆結婚していて、コンパは全くないのですが、「はるかな尾瀬ツアー」のことは、たまに 思い出すことがあります。
事前に〇〇さんと話したい!といった僕のささやかな夢はあっさりと砕かれたのですが、「女の人のパワーはすごいな」と今でも思っています。
男の本能??
それにしても一言でもいいから、女子と話したかった…
そんな「はるかな尾瀬」ツアーでした。
2026年11月02日 19:19
