僕の指導原点はM先生
僕は高校時代、3年間座席は前から1列目の真ん中でした。先生の目の前、という、一番目立つ席でしたが、なぜか授業中はほとんど先生に当てられることはありませんでした。数学の授業が体育の授業の次に楽しみでした。 数学を担当されていたM先生は、教えるのがすごく上手で、予習しなくても授業を聞くだけで学習内容がストンと頭に入ってくるような授業でした。
数学の時間、僕と、僕の隣に座っている友達は、よくM先生にからかわれていました。難しい問題になるとM先生が、わざと僕の友達に当てて、友達(理系の生徒です)がわかりません、とこたえると「〇○君、文系やろ?」と笑いながら言っていました。たまに僕も当てられるのですが、僕がわからない場合は、「佐伯く~ん なまくら系か(笑)」と僕をいじっていました。僕はくやしくはありませんでしたが、少し恥ずかしかったです(笑)
そんなM先生でしたが、僕とその友達と2人で放課後職員室に質問に行くと、授業中とは全く逆で、めちゃくちゃ丁寧に教えてくれました。そのギャップはすごかったです。毎回僕らは驚いていました。
どんな質問をしても、僕らをからかうことなく、わかるまで丁寧に教えてくれました。僕と友達は、そんなM先生を大変慕っていました。
とにかく授業はわかりやすい、たまに生徒をからかうけど、職員室に質問に行くとからかうことなく、丁寧に教えてくれる、特に男子からは人気のある先生でした。僕は高校時代3年間M先生に数学を受け持ってもらったのは本当に幸運でした。
M先生のおかげで数学は3年間得意教科でした。
僕は今、小学生と中学生に教える仕事をしていますが、僕の指導方針の原点はM先生です。もちろん、僕は塾生をからかったりすることはありませんが、M先生のように、生徒さんから質問されたら、真剣にこたえています。
僕が高校生のとき、職員室に質問に行くとM先生はいつも得意げな表情をしていて、うれしそうでした。あのときのM先生の気持ちは、今になってわかります。僕も生徒さんから質問されると、やっぱり悪い気はしません。うれしいものです。
高校を卒業してからも僕は2年に1回くらいの割合で母校の職員室にM先生を訪ねに行っていました。世間話をしたり、悩んでいるときはM先生に話を聞いてもらったりしていました。今はもうM先生は定年退職されていて、会うことはほとんどありませんが、僕はいつも塾で授業をしているときは、M先生のように真剣にかつ丁寧に、生徒さんにとってわかりやすい授業をするように心がけています。
僕は高校時代、数学と英語(英語は担任の先生が3年間担当でした)の先生方に恵まれたおおかがで志望校に合格することができました。大変運が良かったと思います。
2022年08月07日 22:22