予習<復習 メラビアンの法則とは?
僕が高校1年生のとき、化学の先生がことあるごとに「家に帰ってから8時間以内に復習をしなさい」と言っておられました。当時は「何でやろ?」と疑問に思っていました。 実際、高校時代僕は化学の復習を家に帰ってから8時間以内にしたことは残念ながらありませんでした。
化学の勉強はテスト前にしかできませんでした。
ところが数学の先生も似たようなことを言っておられました。
「予習よりも復習の方が大事やぞ!」とよく言っておられました。僕は数学は好きな教科だったので、予習はしたことはありませんでしたが、復習は必ずしていました。
予習をしようと思っても、教科書を見ただけでは、数学的センスのない僕には理解できなかったのです。
自分が教える立場になってから、受験本などを読んでいると、和田秀樹先生は「予習は何も知識がないところへ情報を詰め込むような作業だから要領が悪い。
でも復習は一度習ったことを再び頭にインプットする作業だから、効率がいい」と著書の中で言っておられました。
さらに30代のころに読んだ本の中で「メラビアンの法則」という言葉に出会いました。
メラビアンの法則とは、「人と人がコミュニケーションをはかる際、言語情報が7%,聴覚情報が38%,視覚情報が55%の割合で,相手に影響を与える」という心理学の法則です。
これを勉強に当てはめると、予習(教科書の活字を自分の目で追い、インプットする)は7%、100%あるうちのわずか7%しか情報が入ってこない、ということです。
一方、一度授業を受けて先生の話す言葉、黒板の文字,先生の身振り手振りなどのジェスチャを含めた情報は7%+38%+55%=100%になります。
僕は「なるほど。だから予習は要領が悪くて、復習は要領がいいのか!」とわかりました。
もちろん、頭から予習を否定するつもりはありません。ただ、同じ時間をかけて勉強するのであれば、予習よりも復習に時間をかけたほうが効率がいい、ということを言いたいのです。
最近では参考書や教科書を読む、という勉強よりも「You-tubeなどの動画を見ての勉強」の方がわかりやすいかもしれませんね。
確かに声を聴いて先生の身振り手振り、声の抑揚などをすべて含んでいるYou-tubeなどの動画の方が伝わりやすいし、僕も新たな知識をインプットするときは、活字よりも動画を重視しています。
動画の方がわかりやすいからです。
東進の動画授業も大好評ですが、やっぱり「活字だけの」参考書よりも動画の方が伝わりやすいのだと僕は思います。(当然動画の方が授業料も高いですし)
ただ、予習の良いところも当然あります。恥ずかしながら僕は中学3年間の中で予習をしたことは「1回しかありません」
忘れもしない、中学2年生のときです。地理の授業の予習をしようと思って一度だけ予習をしました。そのときに「長野県はぶどうとりんご。山梨県はぶとうと桃がよく獲れます」という内容でした。
たったこれだけの予習だったのですが、そのことを僕はいまだに覚えています。そういう観点から考えると「予習も威力を発揮するなぁ」と思います。
何十年前のことをいまだに覚えているくらいなので、予習も大切なのかなと思います。
もちろん、習う人によって「予習重視なのか」「復習重視なのか」は変わってくると思いますが、いずれにしても「自分にあった方法」で勉強するのが一番良いと思います。
2023年12月01日 14:30