受験勉強法の具体例
今日は中学3年生の「遺伝」の入試問題をこれから解いていきます。富山県の県立高校入試において、「遺伝」は比較的よく出題されています。「遺伝・細胞の成長」セットで勉強するのが効率の良い勉強の仕方です。
3年生によく「どうやって勉強したらよいですか?」と聞かれます。僕の答えは「まずは教科書や新研究で基礎を押さえて、それから新研究の問題を解いて、そのあとは入試問題を解くのがいいと思うよ」です。
英単語を覚える場合などを除き、基本的に点数を上げるためには「問題をたくさん解く」ことが一番の近道です。暗記タイムももちろん大切ですが、覚えたことを問題を解くことによって確かなものにしていく。この繰り返しだと思います。
僕は中3の今頃はひたすら入試問題を解いていました。
よく「新研究を3回解きなさい」と言われる先生がいらっしゃいますが、それだと「問題を解く数が限定されてしまいます」
入試では一つの答えについて、いろんな角度から質問されます。
例えば「聖徳太子」という答えひとつとってみても「十七条の憲法を制定した人はだれか?」と聞かれたり「冠位十二階を定めた人はだれか?」と聞かれたり「推古天皇の摂政になって政治をサポートした人はだれか?」と聞かれたり「世界最古の木造建築である法隆寺を建てたのはだれか?」と聞かれたり、いろんな角度から質問されます。
僕が高校2年生になったとき、日本史の先生が授業の最初の日に「日本史の問題集を6冊用意してください」と言われました。
理由は先ほど僕が述べたとおりです。同じ問題を何回も繰り返すことは確かに大切です。でも「その先」の勉強に踏み込まないと実力アップは望めません。
中には同じ問題集を何回もしているために、答えだけを上から順に覚えてしまい、問題文を読まずに、答えだけを言っている生徒さんをたまに見かけますが、はっきり言って「ナンセンス」です。要領が悪すぎます。
ちょっとひねられると答えられません。そうではなくて、とにかく、ある程度のまとまった範囲を学習して覚えたら、ガンガン問題集を解いていきましょう。
僕は大学3年生のときに、教員試験のための勉強を本格的に始めたのですが、「学習指導要領」という法律をある程度覚えたら、全国の教員試験が掲載されている問題集を買ってきて、かたっぱしから「学習指導要領」の部分だけの問題を解いていきました。
「学習指導要領」という、ただ法律を丸暗記するだけの、つまらない勉強でしたが、北海道から東北地方、中部地方,関東地方、近畿地方、九州地方・・・としらみつぶしに問題を解いていくと、少しずつ傾向が見えてきます。そうして山ほど問題を解いていくと「試験に出る問題」がわかるようになります。
ここまでくると勉強と言うよりは「点取りゲーム」のような感覚で問題をサクサクと解いていけます。
中学3年生の生徒さんは、特に理科・社会はこの方法で学習していくと、短期間で飛躍的に点数は伸びます。社会ひとつとっても、やみくもに問題を解いていくのではなく、「世界地理」「日本地理」「開国前までの歴史」「開国後の歴史」「公民」と分けて、1つのブロックごとに徹底的に問題を解いていくと「またこの問題が出ている!」とわかるようになってきます。
こればっかりは「問題をたくさん解かないと」コツが見えてきません。
理科の場合だと、例えば「蒸散の実験問題」に限定して全国の入試問題を解きまくっていると、「試験管の水面に油をそそぐのはなぜか?」という問題に何回もぶち当たります。
「またこの問題か!」となるわけです。極端なことを言えば、富山県の入試問題を作るときに「他県の入試問題を調査して、それと似たような問題を作っている」可能性が高いということです(実際に富山県の過去問を10年分解いてみると、どこかで見たことのある問題が比較的よく出題されています)
教員採用試験のときもそうでした。僕は新潟県の教員試験を受けたのですが、新潟県の教員試験は福島県・北海道・茨城県・栃木県・香川県・宮崎県などの県の問題と酷似していました。
そのため、新潟県の過去問を解くのはもちろん、今述べた県の過去問もさかのぼって解きまくっていました。
予想通り、新潟県の教員採用試験の問題は僕は楽々突破していました。これは教員試験に限ったことではなく、資格試験や高校入試にも当てはまります。
「量より質」と言われる方もいるかもしれませんが、「量は質を超える」と僕は思います。
まして範囲の狭い高校入試。今からでも毎日平日は5時間(学校から帰ってきてから夕食までの2時間。夕食後3時間)勉強すれば、確実に点数は上がっていきます。
もちろん、つまづく問題にぶち当たることも何回もあると思います。
そのときは解説をじっくりと読んで(解説を読まずに、頭ごなしにわからない!と決めつけている生徒さんがいますが、もったいない話です)それでも分からない場合は学校の先生や塾の先生、頭の良い友達に聞いて、1つずつ解決していけば良い話です。
最悪、数学の勉強をしていて、どんなに考えてもわからない問題で行き詰ってしまった場合は思い切って捨てる、という覚悟も必要です。
難易度の高い問題は、他の受験生にとっても同じく難しい問題です。差はつきません。
そうではなくて、基礎・標準レベルの問題を確実に解けるようにしていくことが「受験勉強」において大切になってきます。
とにかく問題をたくさん解いて「試験慣れ」していきましょう。
まだまだ間に合います。あきらめたらそこで「試合終了ですよ」安西先生も言っていますね!
2024年01月15日 16:08